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基地経済

 基地経済とは、「沖縄の経済は米軍基地によって成り立っている」という主張がなされるときに用いられる言葉である。

歴史的経緯

 1972年まで沖縄はアメリカ軍(米軍)の統治下にあった為(アメリカ政府ではなくアメリカ軍であることに注意)、経済も米軍最優先の体制が組まれていた。(実態は異なるであろうが、北朝鮮の先軍主義と発想は同じである。)

 これを実現するためにアメリカ軍は沖縄県民を居住地から収容所に強制隔離し、その間に土地を収容して基地に変えてしまった。
(普天間基地の周辺には元々人が住んでいなかったという主張が一時期一部のネット上で流れたが、これは米軍が住民を強制退去させていた為であり、人が住んでいなかったのは当然の話である。)
 この為、沖縄県民は強制収容が終わっても生活や事業を営むのに必要な土地が足りず、またもともと資金的に豊かな土地でもなかったこともあって、米軍基地関係の仕事に就くことを余儀なくされた。

 その後沖縄返還を経て「思いやり予算」のスタートにより基地従業員の給料を日本政府が負担するようになってから、基地従業員の給料は本土公務員並みの待遇となった為、県民所得の低い沖縄では基地従業員は逆に超好待遇の就職口となり、人が殺到するようになった。

 また、米軍が接収した土地(軍用地)は(県民の闘争もあって)「借り上げ」という形になったため、その土地使用料も沖縄県民の貴重な収入となった。

 この為、1990年代までは、米軍基地が沖縄の経済にとって重要な柱になっていたことは事実である。

転換期

 しかしその後、1995年の事件をきっかけに沖縄振興策が急加速したこと、また折からの「沖縄ブーム」による観光需要の増大も相まって、基地関係以外の経済が急拡大した。
 その一方で基地従業員は年を追うごとに人員削減が進められ、沖縄経済の基地依存度は徐々に減っていった。

 また、軍用地も様々な理由で元の持ち主が手放してゆき、代わりに県外の企業や資産家が徐々に買い占めるようになっていき、軍用地料は沖縄に流れずに県外に持って行かれるようになっていった。

現状

 仲井眞弘多氏によると、「県民所得計算上、(基地関連収入は)5・4(%)とか、そのぐらいですよ。小さくはないけど、5(%)は5(%)なんです。200万円の所得があれば10万円がそうだということ。」とのことであり、もはや「沖縄は基地経済である」とはとても言えなくなっている。

 基地の県内移設を掲げている金城竜郎氏も、安全保障上の観点から県内移設を唱えており、経済的な観点からの基地の必要性は主張していない。




 

参考文献:
朝日新聞.沖縄知事選2氏対談・詳報:http://www.asahi.com/politics/update/1105/TKY201011040519_27.html

関連リンク:


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